【科学部】「缶サット甲子園 2023 和歌山地方大会」に参加します!

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今回のミッションはコチラ!
「天気予報が正確かを予測できる缶サット」

1.実施するミッション・・・天気予報が正確かを予測できる缶サット。

※センサーを2つ(センサー1・2)搭載している。
⑴ パラシュートがきちんと開いて、缶サットを回収できる。
⑵ センサー1で上空と地上の気温、高度のデータをとる。
⑶ センサー2でリアルタイムに気温、高度のデータをとる。
⑷ センサー1・2から得られたデータから今後の天気の予測を行う。

2.ミッションの目的及び意義
ゲリラ豪雨

近年、地球温暖化の影響により、『ゲリラ豪雨』と呼ばれる天気の急変による強いにわか雨がしばしば観測されるようになってきている。この原因は地上と上空との気温差が急激に大きくなることにより、強い上昇気流が生じることによって起こる。
また、雨が降るという予報が外れて晴れることも起きている。
天気予報で提示される地域は範囲が広い。そのため、地域の中でも気温に差が出て、予報が難しい。そこで缶サットを使って、リアルタイムに地上と上空の情報を調べることによって、天気予報が正確かを予測できるのではないかと考えた。

3.缶サットの構造

⑴ 缶サットの外観(センサーを2つ搭載)

⑵ 缶サット内のセンサーについて
気温、湿度、気圧、加速度、磁束密度のセンサーがあり、それぞれ0.02秒ごとに測定することができる。またそれらのデータから、以下のデータを求めることができるようになっている。
① 気圧から、1013hPa=0mとしたときの、高度を測定できる。
② Bluetoothモジュールを搭載したので、リアルタイムでデータを収集することが可能。

4.校内での実験

実験1 校舎の3階から缶サットを落とした。同じ実験を5回行った。
⑴ どれもパラシュートが開いて、安全に回収することができた。
⑵ どれもリアルタイムで、データをとることができた。

実験2 本校独自の水ロケットに搭載し、リアルタイムでデータをとる。
同じ実験を複数回行った。
⑴ どれもパラシュートが開いて、安全に回収することができた。
⑵ どれもリアルタイムで、データをとることができた。

実験3 上記の実験より得られたデータから今後の天気を予測する。
⑴ 上空の気温と地上の温度の差より気温減率(100m上昇したときの気温の変化)を求める。

⑵ 気温減率から天気の予測を行い、天気予報が正しいかを検証した。
① 晴れ予報が外れるとき
100m上昇するごとに1℃以上減少したときに、晴れの予報が外れて雨または雪が降ってきた。
(例)5月23日
16時の芦屋市の天気予報=18時~24時の予報は晴れ、降水確率10%
17時頃の気温減率=1.0℃/100m 22時頃から1mm以上の雨が観測された。
② 雨予報が外れるとき
100m上昇するごとに 0.5℃以下減少したとき、雨の予報が外れて晴れた。
(例)4月26日
16時の芦屋市の天気予報=18時~21時の予報は雨、降水確率は100%
17時頃の気温減率=0.3℃/100m 18時~21時の降水はなかった。

⑶ 実験3の結果より
① 絶対安定 0.5℃/100m のとき
6回観測された→6回とも2時間後以降の天候は良くなった。
そのうち2回は雨予報→ともに予報は外れて、降水はなかった。
② 全体不安定 1.0℃/100m のとき
6回観測された→6回とも2時間後以降の天候は悪くなった。
そのうち3回は晴れ予報→ともに予報は外れて、降水があった。

これらの結果より、缶サットによる計測はかなり正確なのではないかと考えられる。
校内では水ロケットによっての計測だったので、高度は高くても50m程度だったが、そこからでも大気の絶対安定、または不安定を予測することができる。

5.結果から期待される成果

⑴ ドローンは上空 300mまでしか飛ばすことができない。またラジオゾンデは、上空 30kmまでの気温等を測定が可能であるが、操縦が難しく、回収して再利用することができない。缶サットなら、ロケットで高高度まで飛ばして、また回収して再利用することが可能と期待できる。

⑵ ピンポイントでの急激な上空の気温の変化を即時にキャッチして、天気予報が当たることを予測することができる。

⑶ 天気予報が外れた場合の急な悪天候や、それに伴って起こりうる自然災害を予測することができ、事前に人々の安全を確保することが可能になる。

⑷ リアルタイムで観測することにより、より早く気象の異常に気づくことができる。